筋力低下、フレイル予防に朝タン習慣を★
今回は、朝食に積極的にタンパク質を摂取する。朝タン習慣の必要性についてお伝えします。
筋肉量を維持・増加するためには1日に適切なタンパク質量を摂取することが必要です。その中でも
タンパク質を摂取するタイミングによって、大きな差があることが判っています。
「タンパク質を3食均等に摂取した場合と比較して、夕食に偏った摂取では1日の筋肉合成が約25%も低下する」
このような研究結果から、筋力低下を予防するには毎食ごとにできる限り均等にタンパク質を摂取することが望ましく、特に不足しがちな朝食にしっかり摂取する必要があります。日本では男性でも女性でも、また子供から高齢者まで、朝食でのタンパク質摂取量は低く、逆に夕食では高く、1日を10とすると、朝が2-2.5、昼が3-3.5で、夕食が4.5-5というような割合です。3食均等にとっている人と、朝が少なく夕食が多い人の筋の合成速度を比較した結果、均等食群の方が、夕方の多い群より筋合成が盛んであるという研究結果。
また、筋肉合成を活性化するタンパク質摂取量には上限があり、その上限を超えて1食にたんぱく質を過剰に摂取しても筋合成はそれ以上活性化されないことが判っています。
これは1日1回夕食にタンパク質を多く摂取していても、朝昼が足りていないと筋肉維持に役立たないという意味です。3食バランスよく、筋肉合成を活性化する十分量のたんぱく質を摂取することが、筋肉量の維持・
増加には重要ということです。
●1日のタンパク質摂取目安量と朝食時の目安量
「朝食には15-20g摂取を目標に」
日本人の食事摂取基準の中で、たんぱく質の推奨量として男性60g/日、女性50g/日という数値が設定されています。よって3回に分けると1食当たり約20g摂取することが筋タンパク質合成を最大にするための量として推奨されています。より具体的に計算する場合、1日に必要なタンパク質の量は体重×約1g(成人の場合)で計算できま
す。体重60kgの人なら1日に約60gのタンパク質を摂るのが理想です。先述の通り、タンパク質は朝・昼・夜と分けて摂ることが大切です。
ちなみに、25g以上を一度に過剰摂取しても追加効果は得られないことがわかっています。
※注意点
糖尿、腎臓などの持病をお持ちの方は、医師や管理栄養士に相談しながら、たんぱく質の摂取量を決める必要があります。
●オススメしたい朝タンカード☆
私も実践していますが、以前ためしてガッテンで紹介された朝タンカードは、朝食に目標とするタンパク質量を摂取する際に非常に役立ちますので、引用させていただきます。
写真に貼り付けておきますので、これを参考に、朝食に少しでも目標となるタンパク質量を摂取する習慣をつけてみてください。筋力低下、体力低下予防につながります!
●朝にタンパク質を摂取すべき様々な理由
他にもエビデンス(科学的根拠)から朝にタンパク質を積極的に摂取すべき理由があります。長くなりますので次回以降にお伝えします。
これからも少しでも皆さまの健康増進につながる情報をお伝えできたらと考えています。
※フレイルとは「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされており、健康状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味する。





